SaaSおよびAIソフトウェア市場は価格の大転換期に入っている。従来型のSaaSと競合するAI製品の登場により、SaaSベンダーはシートベース(ユーザー数基準)の価格設定の見直しに迫られている。見直しの結果、従来型SaaSの価格はアウトカムベース(成果連動型)課金へと移行しつつある、これはCIOとCFOにとっては概ねプラスの動きだ。一方、一部のAIツールやSaaSパッケージは消費量ベースの課金へと向かっており、利用状況を注意深く管理しなければ、請求額が想定外に膨らむリスクがある。
CRMデータプラットフォームプロバイダーTwilioの戦略・オペレーション担当ディレクター、Sidharth Ramsinghaney氏は「最も差し迫った問題は、ほとんどの組織がこれまで経験したことのない予算の変動だ。この転換は、ベンダーから買い手に予測リスクを移転するものだ」と言う。Gartnerによれば、2030年までにエンタープライズSaaSの支出の少なくとも40%が利用量、エージェント、アウトカムベースの課金に移行し、シートベースのベンダー収益シェアは21%から15%に低下すると予測されている。
AIエージェントは価格モデルを揺るがす可能性を持っている。「AIエージェントが人間の業務を代替するようになれば、この予測は現実になる。以前は10人が必要だった仕事を1つのエージェントがこなせるなら、ユーザー数に基づくシートベースの課金は意味をなさなくなる」とRamsinghaney氏は言う。ただし、エージェントの導入が停滞すれば、シートベースの価格設定が長く続く可能性もある。不確実性が続けば、ハイブリッド型の価格設定がデフォルトになる可能性もある。